こんにちは!PICSISの五十嵐です。
今日は半導体のチカラを人のカラダに例えて分かりやすく解説していきたいと思います!
脳=ロジック半導体(CPU,GPU)
人間の思考や動作は、全て脳からの伝達を元に実行されます。
CPUやGPUはパソコンやスマホ上でこの司令塔の役割を行なっています。
CPUとGPUは、どちらもコンピューターの処理装置ですがGPUはコンピューターのグラフィックスやビデオ処理、3DやAIに特化したプロセッサーです。
海馬=メモリー(短期:DRAMディーラム、長期:NANDナンド)
人間の脳の部位である海馬は記憶をつかさどる役割を果たしています。
半導体記憶装置いわゆるメモリーも電子部品の中で人間の海馬のような役割を果たしています。
DRAMは電源が入っているときのみデータの記録が行えるのが「揮発性メモリ」(短期メモリ)です。主にパソコンのメインメモリとして使用されることが多く、パソコン上でOSやアプリケーションが動作する際の作業スペースの役割を果たします。
動作している間は定期的にデータの書き直し(リフレッシュ)を行うことで、電荷が漏れることによるデータ消失を防いでいます。
NANDは電源を切った状態でも記録したデータが消えずに残る「不揮発性メモリ」(長期メモリ)です。SSDやスマートフォンのストレージ、USBメモリ、フラッシュメモリが一例です。
眼=イメージセンサー(CCD、CMOS)
人間でいう目の網膜のような役割をしているのがイメージセンサーです。
イメージセンサーとは、カメラのレンズ部分から取り込んだ光を電気信号に変換する半導体のことをさします。光を電気信号に変換することで、デジタルデータ(画像や映像)として再現できます。
CCDとCMOSの違い
イメージセンサーは大きく分けて2種類に分けられると言われており、それが、「CCDイメージセンサー」と「CMOSイメージセンサー」です。
画質に優れたCCDは、デジタル一眼レフカメラなどに使用されていましたが、近年の技術の進歩により、CMOSの画質もCCDに匹敵するほどになり、現在ではほとんどのアプリケーションにCMOSが搭載されています。
耳=オーディオIC
人間の耳は音の大小や遠近が電気信号となって脳に伝わることで音を理解します。オーディオICは音声や楽曲などの可聴音域信号を処理する機能に特化して設計された半導体集積回路です。
自然界に存在する音は アナログです。マイクなどの音声の空気振動を微弱な電圧に変えてこれをオーディオインターフェイスの ADC (Analog Digital Conversionやアナログ・デジタル変換という) に変換して デジタルデータに送り、ADC はその微弱な電気信号をデジタルデータへと書き換え、記録メディア上に保存します。
再生はその逆で、デジタルデータ を Digital Analog Conversion (DACという名称で有名) してスピーカやヘッドフォンが扱える電気信号 (アナログ信号) に変換してから出力します。このとき DAC から出力される信号は微弱なため、スピーカだけでは音声が上手く再生されないので、オーディオICアンプが必要になってきます。
心臓=集積回路
集積回路とは、電子機器の心臓部といった存在です。IC(略:Integrated Circuit)とも呼ばれ、シリコンなどの半導体素材から作られた極めて小さな部品です。このチップ上には、電子機器の基本的な動作を支えるトランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサーなどの電子部品が形成されています。これらの電子部品は複雑な電子回路を形成し、論理演算やデータ処理、信号増幅など多様な機能を果たしています。
筋肉=パワー半導体
パワー半導体はCPUからの命令を受けて小さな電力から大きな電力までを供給することから「筋肉」にたとえられています。筋肉そのものではなく、筋肉に対して動くように指示を与え、モータやアクチュエータを効率的に動かすことがパワー半導体の役割です。
パワー半導体の機能
パワー半導体の主な機能は、電気の直流と交流を相互に変換することです。パワー半導体の機能を知るうえで必要になりますので、まずは電気の直流と交流の基本を確認しましょう。
電気の直流と交流とは
電気の直流と交流を相互に変換する方法4パターン
パワー半導体の機能である、電気の直流と交流を相互に変換する方法には4つのパターンがあります。
パワー半導体の用途
パワー半導体の用途は様々ですが、直流と交流を相互に変換することで冷蔵庫やエアコン、洗濯機といった家電においてパワー半導体は電気の最適な交流の電気をインバータで作って制御し、省エネ化が図られています。
他にも電車、産業機器など大きな電気を取り扱う場面では必ずパワー半導体が目には見えない部分で働いています。
パワー半導体は「パワーデバイス」とも呼ばれています。
五感=アナログ半導体(圧力センサー、味覚センサー、光デバイスなど)
圧力センサーは人間でいうと触覚のように、触れているかいないか、どれくらいの力で触れているかを測定します。
例えば空気や水の圧力を検知して、流れを制御するのに使ったり、人や機械の接触を検知したりするために利用されます。圧力センサの用途はとても広く、センサーの形式や形状もさまざまです。
味覚センサーは文字通り、人間でいうと舌のようなはたらきをします。味細胞の生体膜を人工脂質膜で模倣したものです。受容膜に味のもととなる化学物質が触れると電圧が変化し、その情報をコンピュータで集計することで味の質と強度を測定します。
光デバイスとは光を用いた電子回路、機械回路(素子)の総称。レーザー、光導波路、光フィルター、光スイッチ、光変調器、光アイソレーターなどがあります。光デバイスはこれらの機能を集積化した光集積回路(OIC)や光学装置を意味することもあります。
まとめ
ヒトのカラダ | 半導体部品 | 半導体部品のはたらき |
脳 | ロジック半導体 (CPU、GPU) | 動作の司令塔 |
海馬 | メモリー (短期:DRAM、長期:NAND) | 記憶 |
眼 | イメージセンサー (CCD、CMOS) | レンズから取り込んだ光を電気信号に変換する |
耳 | オーディオIC | 音の波形(振動)を電気信号に変換する |
心臓 | 集積回路 | |
筋肉 | パワー半導体 | CPUからの指令を受けて電気の直流と交流を相互に変換し、効率よく電気を使う(省エネ) |
五感 | アナログ半導体 (圧力センサー、味覚センサー、光デバイスなど) | 接触を検知する圧力センサなど |
いかがでしたでしょうか?半導体のチカラを人のカラダに例えたことで
日常でどのような働きをしているかざっくり理解できたと思います!
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